盂蘭盆会(うらぼんえ)[歓喜会(かんぎえ)]が、ご講師に山田義俊先生[東京都]をお迎えして執り行われました。ご法話の一部を紹介させていただきます。
山田先生がご訪問されていらっしゃる少年院の子が詠んだ句に、次のようなものがございます。
陽(ひ)のにおい 母のにおいや 干し布団
ある少年は、母に対して悪態をついていました。布団など干したことがなかったこの少年ですが、少年院では生活指導の一貫として布団を干します。この布団を干し、取り込む時に、布団のにおいを嗅ぎ、母親はいつも布団を干してくれていたんだなと感謝の気持ちが芽生えたそうです。
私たちは、覚えるべきご恩は忘れて、どうでもいいようなことばかり覚えています。人にしてやったことは覚えていて、していただいたことはすぐに忘れてしまうものです。
お盆の話の元となる、目連尊者の母親は、我が子目連のかわいさゆえ、他の子と比べてえこひいきをして、逆さ吊の苦しみにあわれていますが、逆さ吊りなのは私たちも同じです。奈落の底に沈んで当然の私に、そんなことはさせないよとおはたらきくださっている如来さまに、ありがとうとお礼をさせていただく。救われる身を喜ぶ、それが歓喜会です。
今月末に子どもたちは夏休みに入ります。7月29日から2泊3日で山梨県にて「お寺の林間学校」が行われます。