報恩講

 昨日、今日と浄土真宗で最も大切にする法要、報恩講でした。

 昨日は、価値観の転換について、親鸞聖人は「雑行を棄てて本願に帰す」と仰り、修行の道からお念仏の道へ移られ、山伏の弁円は親鸞聖人に出会い「山も山道も昔に変わらねど、変わりはてたる我が心かな」という心境に至り、私たちもお念仏の道しかないというお味わいをお話しさせていただきました。

 本日は東京都より田原哲先生にお取次ぎいただきました。先生の良く通る声で笑いを交えながら、午前午後と1時間ずつありがたいお時間をいただきました。私たちの人生で驚くべきことは何か・・・それは今このように生きていることです。私たちは普段、命終えることに対して驚きを覚えますが、仏さまの教えでは生きていることこそ驚きであるとお教えくださいます。命が終わる時はいつかは来ますが、それは死ではなく往生なのです。仏さまに成らせていただくのです。一日一日の命が当たり前のことではなかったのだ、朝になって目を覚ますことが当たり前のことではなかったのだと気づかされる世界がお念仏の世界です。

 「親孝行したい時にはお念仏」。親が元気なうちは、なかなかお礼が言えないものです。しかし私たちは親と会うことが出来なくなってもお礼を言うことが出来ます。それがお念仏なのです。手を合わせる南無阿弥陀仏というお念仏の中に、阿弥陀さまがいてくださる、亡き人が共にいてくださる、私は1人ではなかったのだ、私と共にいてくださるんだという温もり感じ、安心してお浄土に生まれさせていただく人生を歩みましょう。

 

 次回行事は、11月11日(水)13時半よりお経練習会がございます。