涅槃会(ねはんえ)

 本日は仏説観無量寿経のお話をさせていただきました。このお経はお釈迦様がご在世の頃、王舎城(おうしゃじょう)で起こった悲劇を縁として説かれたものです。

 阿闍世(あじゃせ)王子は父である頻婆娑羅(びんばしゃら)王と母である韋提希(いだいけ)夫人を牢獄に閉じ込めます。悲しまれた韋提希夫人は苦悩なき世界、お浄土に生まれたいとお釈迦様に教えを請いました。

 お釈迦さまは浄土に生まれる方法を、①精神統一により浄土の姿を観る定善(じょうぜん)と、②精神統一をしないままで修める散善(さんぜん)を人間の資質に分けて説かれます。

 そして最後に、このお経の要は何かというと、今まで説いてきた定善並びに散善の方法で浄土往生を願うのではなく、何も修めることの出来ない救われ難い私たちには、阿弥陀さまより賜りたるお念仏の教えしかないと説かれました。

 正信偈の「善導独明仏正意 矜哀定散与逆悪 光明名号顕因縁」は、善導大師は独り仏(お釈迦様)の正意(観経の教えの要)を明らかにして、定善散善(自力)と五逆十悪(悪人)の者を哀れんで、賜りたるお念仏が因となり縁となって私たちをお救いくださるのですと顕かにしてくださいました、ということです。 


来月は3月21日(土)に春季彼岸会を行います。